トークイベント「いかにして語り継がれるアニメーション作家になるか?」を開催します

海外進出に強い意欲を持ち、将来海外での活躍が期待される国内の短編アニメーション作家を対象に、育成から海外展開までを一体的に支援する「New Way, New World: Program for Connecting Japanese Animators to the World」(略称:NeW NeW(ニューニュー))では、2025年11月に第三期の支援作家の公募を行う予定です。(募集要項等は10月頃に発表予定)

公募に先立ち、NeW NeWでは連続レクチャー企画「NeWNeWコミュニティスクール」を行います。本スクールは、国内外の一線級で活躍する講師を招聘し、短編アニメーションをめぐる現在の世界的状況をシェアすることにより、日本国内において知見を共有し、海外展開を目指すコミュニティを形成することを目指すものです。

今回は第3回講座として、「いかにして語り継がれるアニメーション作家になるか」と題したトークを行います。講師はオタワ国際アニメーション映画祭アーティスティック・ディレクターでNeW NeWアドバイザーのクリス・ロビンソン氏です。

短編アニメーション作家は、いかにして国際的に認知されるのでしょうか? ソーシャルメディアや動画サイトが当たり前になった今でも、「映画祭」という場所が主な役割を果たすことは間違いありません。コンペティションへの選出や受賞は、作家が優れた作品を作っていることの証明となり、国際的な認知につながります。ジャーナリストや作家によって記事が書かれることもまた、その作家の作品や活動に独自性があることを証明するでしょうし、映画祭とはまた別の回路で広まり、残っていくことになります。

NeW NeWアドバイザーとして今回来日するクリス・ロビンソンは、北米最大のアニメーション映画祭のアーティスティック・ディレクターを長年努め、コンペティション選考も担当しています。世界中の様々な映画祭での審査員経験も豊富です。さらには、短編/インディペンデントを中心としたアニメーション作家に関する著作を数多く著しています。

今回のスクール企画では、そんなクリス・ロビンソンに、「選考委員としてコンペティション作品を選ぶこと」「審査員として受賞作品を選ぶこと」「本や記事で取り上げるアニメーション作家を選ぶこと」について、彼自身の経験をふまえてお話しいただくことで、”語り継がれる”作家になるための秘訣を共有してもらいます。

本講座は現地開催とオンラインの併催となります。受講申込の際にも事前質問をお受けし、その内容を講義に反映していくことで、内容がより「実践的」になるようにしていきます。

アニメーション作家やプロデューサーはもちろん、映画祭関係者、ジャーナリスト、研究者など、幅広い興味関心のみなさまのご参加をお待ちしております。

日時:2025年10月10日(金)13:30開場/14:00スタート/16:00終了予定
会場:イメージフォーラム3F「寺山修司」
講師:クリス・ロビンソン(日本語通訳有り)
参加費:入場無料
申込方法:こちらのフォームよりお申し込みください。

※ 申込は10月9日(木) 24:00まで。現地参加
※ お申し込みいただいたメールアドレスに、オンライン視聴URLをお送りします。
事務局:CG-ARTS(公益財団法人画像情報教育振興協会)

講師プロフィール

クリス・ロビンソン
クリス・ロビンソンは、作家であり、オタワ国際アニメーションフェスティバル(OIAF)のアーティスティック・ディレクター。2020年、ザグレブ国際アニメーションフェスティバル功労賞(アニメーション研究部門)を受賞。2022年にはカナダのアニメーションへの貢献が評価され、ルネ・ジョドワン賞を授与されている。彼は、「アニメーションの歴史において、最も文体的に独創的で刺激的な専門家の一人」と評されている。

ロビンソンは、多岐にわたる分野を扱い、影響力を持った雑誌コラム「Animation Pimp」で知られるようになった(このコラムは後に同タイトルの本として出版された)。彼のアニメーションに関する著書には、『Estonian Animation: Between Genius and Utter Illiteracy』、『Unsung Heroes of Animation』、『Canadian Animation: Looking for a Place to Happen』、『ライアン・ラーキン やせっぽちのバラード』(太郎次郎社エディタス/土居伸彰訳)、『Animators Unearthed』、『Japanese Animation: Time Out of Mind』(NeW NeWウェブサイトにて今年邦訳を公開予定/新井祐季訳・土居伸彰監訳)、『Mad Eyed Misfits』、『Earmarked for Collision: A Highly Biased Tour of Collage Animation』、『Cheer and Loathing in Animation』がある。

アニメーションに関する執筆活動に加え、ロビンソンはセオドア・ウシェフ監督の短編アニメーション『Lipsett Diaries』(2010年)の脚本も手がけた。最近では、ドイツのアーティスト、アンドレアス・ヒュカーデと共同で、挿絵入りの小説『My Balls Are Killing Me』を完成させた。現在は、『Dreaming a Way (of) Life: The Films of Lewis Klahr』を執筆中。2025年初頭に制作開始予定のセオドア・ウシェフ監督の長編実写映画『Idling』の脚本も担当している。