オンライントーク「第一期公募枠作家の視点から振り返る、2025年ザグレブ&アヌシー報告」を開催します

海外進出に強い意欲を持ち、将来海外での活躍が期待される国内の短編アニメーション作家を対象に、育成から海外展開までを一体的に支援する「New Way, New World: Program for Connecting Japanese Animators to the World」(略称:NeW NeW(ニューニュー))では、2025年7月に第二期の支援作家の公募を行います。

第二期公募の募集開始日と同日の6月30日、NeW NeWが立ち上げた連続レクチャー企画「NeWNeWコミュニティスクール」――国内外の一線級で活躍する講師を招聘し、短編アニメーションをめぐる現在の世界的状況をシェアすることにより、日本国内において知見を共有し、海外展開を目指すコミュニティを形成することを目指すもの――では、第2回講座として「第一期公募枠作家の視点から振り返る、2025年ザグレブ&アヌシー報告」と題したトークを行います。講師は、第一期公募作家の金子勲炬、関口和希、ひらのりょうの3名です。(司会はNeW NeWプロデューサーの土居伸彰。)

世界の短編アニメーション作家にとって、「6月」は特別な時期です。世界有数のアニメーション映画祭であるザグレブ(Animafest Zagreb)とアヌシー(Annecy International Animation Film Festival)が立て続けに開催されるからであり、多くの作家がこの時期に作品の完成・公開を間に合わせようと試みます。共に長い歴史を誇る両映画祭ですが、「作家のための映画祭」を公言するザグレブと、世界中の産業関係者も集うアヌシーといったように、正反対の性格を持つ両映画祭は、映画祭を通じた世界のアニメーションシーンの一望やネットワーキングのためにとても有益な場所でもあります。

公募枠作家の3名は、両映画祭に参加します。採択後の今年1月より、新作企画のブラッシュアップと各種プロモーションツールを制作しながら、国内外の様々な映画祭に参加してきた3名には、ネットワーキングを行ってきたこの2つの映画祭はどのように映ったのでしょうか。公募枠作家たちは、通常のアニメーション作家がコンペティション入選作家やゲストとして「招かれる」のとは違ったかたちで映画祭に参加するなかで、新作の企画をプロモーションすることを義務付けられていますので、おそらくこれまでとは違った映画祭の役割や今後のキャリアにとっての活動の可能性が見えてきたはずで、レクチャーを通じてその景色を共有することを試みます。

本イベントは、二部構成で行います。

第1部のレクチャー「第一期公募枠作家たちが見た2025年のザグレブとアヌシー」では、講師となる公募枠作家3名がそれぞれの観点から両映画祭を振り返ります。どんな作品や作家と出会い、そしてどのような「ビジネス」のチャンスを掴んだのでしょうか? 受賞作品などの紹介なども交えながら、生気あふれる映画祭の体験談を語ってもらいます。

第2部のレクチャー「第一期公募枠作家たちはいかにして新作をブラッシュアップし、ピッチしたか」では、NeW NeWが力を入れる「企画開発」について、ここまでの約半年間、作品のアイデアを深め、なおかつ国際的なパートナーを見つけるため、具体的にどのようなことを行ってきたのかを振り返ります。脚本やビジュアルリサーチなど作品の根幹にかかわる部分の改善はもちろんのこと、ときには作家自身のスキルアップのために3名が取り組んできた様々な課題についてお伝えすることで、第二期への応募を検討している作家・プロデューサーのみなさまの参考になる内容をお届けします。レクチャー内では、アヌシーに併設されるマーケット「MIFA」における3名のピッチの様子もお見せします。

本講座はオンラインでの開催となります。第1部・第2部ともに質疑応答コーナーはありますが、受講申込の際にも事前質問をお受けし、その内容を講義に反映していくことで、内容がより「実践的」になるようにしていきます。

アニメーション作家やプロデューサーを中心に、幅広い興味関心のみなさまのご参加をお待ちしております。

日時:2025年6月30日(月)18:30スタート/20:30終了予定

登壇者:金子勲炬、関口和希、ひらのりょう(NeW NeW第一期公募枠採択作家)
司会:土居伸彰(NeW NeWプロデューサー)

参加費:入場無料

申込方法:こちらのフォームよりお申し込みください。

※ 申込は6月29日(日) 24:00まで

※ お申し込みいただいたメールアドレスに、オンライン視聴URLをお送りします。

事務局:CG-ARTS(公益財団法人画像情報教育振興協会)

講師プロフィール

金子勲炬
1994年生まれ。 2016年、早稲田大学創造理工学部総合機械工学科卒業。2020年、多摩美術大学大学院美術研究科デザイン専攻修了。2025年3月まで多摩美術大学グラフィックデザイン学科助手として勤務。これまで『LOCOMOTOR』(2019)、 『The Balloon Catcher』(2020)『Magnified City』(2022)を監督・制作した。

関口和希
多摩美術大学情報デザイン学科メディア芸術コース卒業、東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻修了。自身の体験や感情を通じて、共感と笑いを生み出す短編アニメーション作品を制作している。日本アニメーション協会会員。

ひらのりょう
埼玉県春日部市生まれ、長野県在住。作風はポップでビザール。漫画『FANTASTIC WORLD①・②』や、NHK「みいつけた!」や「みんなのうた」のアニメーション制作のほか、オリジナルアニメーション作品『パラダイス』『KRASUE』などを手掛け、国内外のアニメーション映画祭にも多く参加。近年は編み物教室に通いはじめ、あみぐるみシリーズ 『YARN FOREST』 を発表。

土居伸彰

株式会社ニューディアー代表。ひろしまアニメーションシーズンプロデューサー。配給、映画祭運営、執筆・講演等を通じて、世界の様々なアニメーションの魅力を届ける。プロデューサーとしては、国際共同製作による短編作品の製作や、個人作家によるゲームやシリーズの制作も手掛ける。プロデュース作品に『マイエクササイズ』(和田淳監督、インディーゲーム/短編アニメーション)、『みじめな奇蹟』(折笠良監督/短編アニメーション/オタワ国際アニメーション映画祭グランプリ)、『普通の生活』(水尻自子監督/短編アニメーション/ベルリン国際映画祭短編部門銀熊賞)など。NeW NeWでは総合プロデューサーを務める。

https://www.newdeer.net