「NeW NeW」第一期公募採択者月次面談第四回レポート

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参加アーティスト
金子勲矩
関口和希
ひらのりょう
コーディネートチーム
土居伸彰(総合プロデューサー)
相原裕美(コーディネーター)
尾関加純(コーディネーター)
田中大裕(コーディネーター)
事務局
CG-ARTS
ホワイト健

2025年5月15日、NeW NeWスクールのイベント会場にて、第一期公募枠作家を対象とした月次面談の第4回目が開催されました。6月に実施されるザグレブ国際アニメーション映画祭を皮切りにアヌシー国際アニメーション映画祭、パリをめぐる欧州ツアーを目前に控えた今回。公募枠アーティストたちはアヌシーにあわせて催される見本市MIFAでのピッチに向け、プレゼンテーション内容の確認、脚本・ビジュアル資料のブラッシュアップ、宣伝用のDM(ポストカード)制作といった準備を進めています。

ツアー中に配布するDMは、ビジュアルを通じて作品の雰囲気を簡潔に伝える、名刺以上に重要ともいえるツールです。公募枠アーティストたちはそれぞれの試作デザインを持ち寄って意見を交わし、最終的な仕上げの方針を固めました。

土居伸彰は、ピッチでは聴衆の関心を引くために「社会的な意義」と「映画としての面白さ」の双方をバランスよくアピールすることが大切であると強調。そのほか配布資料の作成に際して推奨されるフォントや情報の配置方法など詳細なアドバイスを行いました。

各企画の進捗状況についても確認が行われました。

『ウサギとカニ』の企画開発を進める金子勲矩は、現在までに受けたフィードバックをもとに、どのように脚本を改稿していくべきかを検討しているとのこと。土居はさらに観客がストーリーに没入できるよう、「なぜウサギがカニに襲われるのか」を伝える描写を挿入することを提案しました。また、先日の勉強会で泉津井陽一さんの指導を受けたコンポジットに関しては、泉津井さんから受け取った素材を自分なりに分析し、今後どのように取り入れていくかを模索中だといいます。

『アニメーション作家のねこちゃん』を企画開発中の関口和希は、企画当初からさまざまな変更が加わるなかでも、表現したいことを損なわずに作品を磨き上げられているように感じると語ります。脚本も次第に固まってきたため、今後はアドバイザー陣からフィードバックをもらいつつ、与えられた助言から取捨選択するための自分なりの軸を固めることを決めました。プレゼンでは自宅の写真を資料に含めるなどし、「ねこちゃん」が活動する環境が自身の家をモデルにしていることをアピールすると良いのではないかというアイデアも寄せられました。以降は欧州ツアーへ出発するまでにコンポジットを含めたビジュアル資料の作成を完了し、万全な状態でプレゼンテーションに臨みます。

『NIGHT IN THE EYEWALL』に取り組むひらのりょうは、既に脚本が完成していることから、欧州ツアーまでにビジュアル資料を充実させていくことに。本作は2DドローイングとBlenderによる3DCGを組み合わせたユニークな作風も売りの一つ。作品の魅力を十分に伝えるためにピッチでは制作プロセスを分かりやすく説明することが重要であると確認されました。また、ひらのからはプレゼンで話す内容をどのように考えるべきかについて質問も。土居はまず脚本をもとにビジュアル資料を制作し、それらをもとに企画書を作成したのち、伝えたいことを企画書の中から選んでいく形でプレゼンを組み立てていく流れを提案しました。

次回の月次面談は欧州ツアーから帰国後に実施される予定です。目前に迫った欧州ツアーに向け、公募枠アーティストたちは最終準備を着実に進めていきます。


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