第一期最終レポート:金子勲矩

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金子勲矩

2025年11月末にて、第一期の活動期間が終了いたしました。この記事では、第一期公募枠の採択者の一人である、金子勲矩による活動の最終レポート記事をお届けします。


金子勲矩によるレポート

主要な国際アニメーション映画祭であるザグレブ、アヌシー、オタワをはじめ国内外の映画祭を訪問しました。映画祭で海外の作家と対面で交流したことで、アニメーションに対する視野が広がり、貴重な経験を得ました。特にピッチやネットワーキングを通じて、資金や人材の集め方など、規模の大きな作品制作に必要な下準備を体験できたことは、個人制作だけでは得られない学びでした。またスタジオ見学により、企画段階から制作までの一連の流れを具体的にイメージできました。

作品の企画開発では『Crabs and Rabbits』のブラッシュアップを行い、企画としての内容を強化しました。本作は2023年に制作を開始し、全体の約半分が完成していましたが、物語の流れが分かりにくく、映像の質や統一感に課題がありました。本事業では制作を一時停止して企画段階に立ち返り、これらの課題を解決することを目的としました。ストーリー面では既存映像から脚本を書き起こして構成を見直し、改定脚本に合わせてビデオコンテを修正しながら物語の細部を詰めました。映像面ではコンポジット技術の向上を目指し、専門家による講習を依頼しました。本事業を通じて撮影監督・コンポジターの泉津井陽一氏をご紹介いただき、助言を得ることができました。泉津井氏の指導により、水彩の質感や全体の画調を保ちながら背景に微細なぼかしやライティング調整を施す手法を学び、その結果、原画の持ち味を損なわずに主役へ視線を誘導する画面作りが可能になりました。

本事業を経て、脚本に基づく作品の再構築が完了し、約12分のビデオコンテを完成させました。既に完成しているシーンには泉津井氏の助言を反映したコンポジット調整を行っており、その知見は今後の作画にも活かしていきます。最後に、映画祭参加やスタジオ見学を通じて得た資金・人材調達や制作フローに関する知見を踏まえ、今後は作品の品質向上と国内外への発信を目指します。

金子勲矩『Crabs and Rabbits』より

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