「NeW NeW」第一期公募採択者月次面談第五回レポート
- 参加アーティスト
- 金子勲矩
関口和希
ひらのりょう
- コーディネートチーム
- 土居伸彰(総合プロデューサー)
- 事務局
- CG-ARTS
- 文
- ホワイト健
2025年8月4日、第一期公募枠アーティストを対象とした月次面談が行われました。9月下旬から10月初旬にかけて実施される、オタワ国際アニメーション映画祭とモントリオールをめぐるカナダツアーを目前に控えた今回。面談では現地での上映やピッチイベント、ネットワーキングに向けた準備が議題の中心となりました。北米最大の国際アニメーション映画祭であるオタワでは、上映プログラムに加えてトークイベントを開催。モントリオールではカナダ国立映画製作庁(NFB)への訪問やシネマテーク・ケベコワーズでの上映&ピッチイベントが予定されるなど濃密な約10日間のツアー概要が伝えられ、当日必要となる資料や原稿の仕上げなど、各アーティストたちは世界中のアニメーション関係者が集まる場で自作の魅力をアピールするための具体的な準備を進めています。
土居伸彰はツアーのスケジュールとともに各映画祭における主な観客層などについて述べ、ピッチやトークショーはどのような態度で臨むべきか、何を強調すべきかといった点についても確認しました。6月に開催された欧州ツアーでの経験を踏まえ、自身の企画をプロモーションするためのDM(ポストカード)やプレゼンテーションのほか、現地で開催されるイベントの詳細についても話し合われました。
また、現段階における各作家の進捗状況や今後の作業の方向性も確認されました。
『アニメーション作家のねこちゃん』を手がける関口和希は現在、絵コンテの作成が完了したことに伴い、ビデオコンテの制作に取り組んでいます。上映時間は約12分を想定しており、脚本段階から不要な要素を整理することで、物語をコンパクトに仕上げつつも伝えたい要素を維持しているそう。今後は引き続きビデオコンテに取り組みながら、完成像をさらに固めていきます。
『ウサギとカニ』を企画開発中の金子勲矩は、脚本通りに進めた場合15分を超える構成になるため、ラストシーンを強化しつつ全体を引き締める方針を共有しました。脚本などの段階で変更した要素とビデオコンテの内容を調整するため、モントリオールのピッチに向けて準備するビデオコンテではあえて予告編のような短い映像素材を用意することも検討されました。
『NIGHT IN THE EYEWALL』を制作するひらのりょうは、第三者からの脚本アドバイスをもらいながら、オープニングのビジュアル強化を模索しています。2Dと3D(CG)を融合する表現に取り組む本作では、コンポジット処理や音響演出が没入感を左右する重要な要素となります。6月のツアーで出会ったサウンドデザイナーからの協力提案もあり、音響面での開発も進めていくことになります。
次回の月次面談は、9月のカナダツアーが始まる前に実施される予定です。公募枠アーティストたちは目前に迫る映画祭に向け、最終調整に注力していきます。